芝村一族 その系譜
かの一族は自分達を「青」と呼ぶ。
英語での自称も常に「ブルー」である。
かの一族の神話によれば、一族は元々東方三王国
(どの歴史にも存在しない名である)の末裔であり、いとかしこき
メイデアの姫君の子孫であるという。
芝村の名は、明治時代に日本に流れ着いた彼らの祖先
それを庇護した村の土豪の名前からとったものである。
彼らが目立って歴史の表舞台に出てきたのは20年前、一族の中で「A」と
呼ばれる人物が出現してからである。
(かの一族は成人するとともに名前を隠すことを美徳とし、本名と
その意味は、もっとも親しい人間しか知らない。)
非常に閉鎖的で秘密主義を貫き、その実体はほとんど分からない。
数少ない情報によれば、彼らは血縁を無視し、実子であろうと一旦籍を外し
その後に養子とする形式を踏むという。
彼らは血よりも記憶や「青らしさ」を重要視し、積極的に養子を迎えるようである。
自らをこの惑星の記憶と名乗る、尊大で傲慢、非人間的論理を持つ彼らは、
それまで人類が保有していなかった奇跡の技術の数々を独占的に保持し、
そして幻獣と戦う人類のために供与していた。
現在は財政界に隠然たる勢力を持ち、まるで幻獣との戦争が起きることを
予測していたように軍備を備え、要職に一族の者を送り込んでいる。
彼らの真の目的は不明である。
しかし彼らが権力や金の収集を目的としていないことだけは
彼らの政敵も認めざるを得ない点である。
彼らは何か待っているという。
それは人類に勝利をもたらす究極的な兵器ともいうものもいるし
あるいは彼らの指導者ともいうものもいる。
真相は不明である。この内容自身も、彼らが読めば笑い事で
済まされるのかもしれない。