ねこかみさまのおはなし


 むかしむかし、ねこのかみさまには たくさんの
にんげんのおともだちがいました。

 ねこのかみさまは にんげんとともに
きょうわこくとてーこくをまもり、てーこくがほろびる
そのさいごをみとどけたのち
とものベルトをくびわにして、たびにでました

 にんげんにわるさをする ねずみをこらしめながら
ふねにのって ひがしへ ひがしへ

 なんびゃくねんもたびをつづけて、さいごに
たどりついたそのばしょのなまえは ひのくに。

なやまされていたひとびとは、ねこかみさまを
いこくのふねからもらいうけます
 ねこかみさまはおきゃくさまとしてだいじにされました。
 たどりついてより60ねんのあと、あかいふくももらいました。
 ねこかみさまはひのくにのひとにつたえます。

 このひのいろのふくにかけて、あおぞらがおちるまで、
ちがさけうみがぼくをのみこむまで、ぼくはこのくにをまもりましょう。

やくそくは はたされました。
 それからねこかみたちはむかしもいまも
ひのくにのよるをまもるのです。
 おしまい。


>漢字交じりの普通の文体バージョン

 昔々、猫の神様には たくさんの人間のお友達がいました。

 猫の神様は人間と共に共和国と帝国を守り、帝国が滅びる
その最後を見届けた後 友のベルトを首輪にして、旅に出ました。

 人間に悪さをするネズミを懲らしめながら
船に乗って、東へ東へ

 何百年も旅を続けて、最後に辿り着いたその場所の名前は、火の国。

悩まされていた人々は、猫神様を異国の船から貰い受けます。
猫神様はお客様として大事にされました。
辿り着いて60年の後、赤い服を貰いました。
猫神様は火の国の人に伝えます。

 「この火の色の服にかけて、青空が落ちるまで、地が裂け
  海が僕を飲み込むまで、僕はこの国を守りましょう」

約束は果たされました。
 それから猫神たちは昔も今も火の国の夜を守るのです。

おしまい。


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